#489: ガンキラー (元祖SDガンダム)

SDガンダム模型の金字塔として1980年代から長きにわたりファンに愛されてきた「BB戦士」と「元祖SD」というふたつのブランド。シリーズ開始から40年近く経った今でも再販や新作の発売が精力的に行われている「BB戦士」に対して「元祖SD」の方は1996年を最後に商品展開が止まっており、ファンは高騰化の一途を辿るビンテージ品をコレクトするしか無い状態が30年近く続いていた2016年、新商品という手土産と共にそれは突然復活した。注目の第一弾にはSDガンダム漫画の傑作「超戦士ガンダム野郎（ハイパーせんしガンダムボーイ）」に登場する最強の敵・ガンキラーが選ばれ、いわゆるファーストガンダムに代表されるリアル体型のガンダムとは異なる「SD世代」の子ども達が熱狂したジャンルからの選出は至極妥当でありながら初回のキャラクターとしてはいささか斜め上を行くチョイスに不安を覚える者もいたが、現代の技術が惜しみなく投入されたそのキットは説明書に沿って組み立てるだけで当時のカラーイラストと同じ仕上がりになるというバンダイらしい質の高いものであった。パッケージにはSDガンダムの生みの親である横井画伯が書き下ろしたイラストが採用され、キットの通しナンバーも96年のシリーズ終了時の続きにあたる「0089」が与えられるなど製作側のこだわりが沢山詰まった商品内容に多くのファンが元祖SDシリーズの完全復活を予感した。

• 元祖SDガンダムワールド ガンキラー (プレミアムバンダイ)
• 超戦士 ガンダム野郎(1) (コミックボンボンコミックス)