黒いTOY

#093: ピスケスのアフロディーテ (聖闘士聖衣大系)

聖闘士聖衣大系 冥王ハーデス十二宮編 ピスケスのアフロディーテ 冥衣 2004 BANDAI香港
聖闘士聖衣大系 – 冥王ハーデス十二宮編 – 隻魚座 PISCES 阿布羅狄 – BANDAI H.K. (2004)

2004年にバンダイが復刻版を発売するとアナウンスしていた聖闘士星矢の玩具・セイントクロス(聖闘士聖衣大系)は「当時不評だった頭部を新造型で再現する」という単なる復刻の枠に留まらない気合いの入った企画としてファンの期待が非常に高いシリーズだった。しかし発売直前になって無期延期の報が広まり、商品を仕入れる予定だったショップやそれを予約をしていたファンなど多くの人間が大混乱~最終的に香港のバンダイから発売されたという妙な経歴を持つ商品だ。
主な入手方法はオークションサイトを通じて海外在住の売り手から個人間取引で購入するという形であったが、今のように便利な海外通販サイトも皆無な時代に海外の商品を現地人から直接購入する(若しくはそれを購入した日本人から買う)という行為は一般的でありそこに何の疑問も存在しなかった。これを手にした国内のファンの多くはそのルートを利用していたが、製造現場に目を向けると当時はコンプライアンスの低い工場が当たり前のように存在していたようで、例えばプロジェクトの途中でキャンセルになった製品を破棄せず勝手に販売(いわゆる横流し)してしまうようなケースがアジア圏ではしばし見られたというから、実はこの製品もそういった形で現地の市場に流出したものが出回った可能性が高く(そもそも当時の香港にバンダイ支社が存在していたのかも怪しい訳で)、その品質も同社の同製品シリーズとは思えぬ顕著な劣化が経年と共に表れるなど後々になって見えてくる事実もあり、総合的に考えるとこれは限りなく黒に近い商品なのではないかという見方もできる。その一方で、高騰化の一途をたどるオリジナル版のほぼ全てのラインナップを網羅し、尚且つ懸賞品や新規造形のキャラクターまでもを発売してビンテージ市場の相場とファンの溜飲を下げた功績は大きいという意見もあり、善悪の判断はこれを入手した各々に委ねられていた。

聖闘士聖衣大系 冥王ハーデス十二宮編 ピスケスのアフロディーテ 冥衣 2004 BANDAI香港
聖闘士聖衣大系 冥王ハーデス十二宮編 ピスケスのアフロディーテ 冥衣 2004 BANDAI香港

 

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