黒いTOY

#192: エンペラ星人 (HD-S)

HD-S エンペラ星人 2007 BANDAI
HD-S ウルトラマン – 歴戦の勇者と侵略者編 – エンペラ星人 – BANDAI (2007)

「ウルトラマンメビウス」(2006)最終3話に登場し、その強さをいかんなく発揮したウルトラ一族最大の宿敵がバンダイの食玩・HD-Sシリーズで立体化。
元々は「ウルトラマンタロウ」(1973)で設定のみが存在したキャラクターであり、テレビ画面にもシルエット姿のイラストが僅か数秒映るだけという知る人ぞ知る存在であった。後にテレビゲーム(注1)や漫画(注2)などにも登場したが、キャラクターの背景やタロウ登場時の関連性が語られるような事もなく、単発キャラとしての扱いにやがてファンの記憶からも完全に消えていった。それから時代は進み33年後の2006年、昭和ウルトラシリーズの地続き作品として放送されていた「ウルトラマンメビウス」のラスボスとしてそいつは突然帰ってきた。視聴者の多くは「最強最悪の存在」と言われる「新キャラ」をテレビで説明されるがままに受け入れていたが、巨大掲示板上ではタロウの放送を知る極マニア達による飲めや歌えやのお祭り騒ぎ。ここまで時間を要した伏線の回収とファンに与えた衝撃はメビウス以降現代までのウルトラ作品でも類を見ることはなく、それだけ大きな「事件」だったのだ。

HD-S エンペラ星人 2007 BANDAI
これまでに登場したエンペラ星人

(注1) 「ウルトラマン倶楽部 怪獣大決戦!!」(エンジェル/1992)ファミコン用ソフト。
(注2) 「ウルトラマン超闘士激伝」原作・瑳川竜、漫画・栗原仁によりコミックボンボン(講談社)誌上で1993~1997年まで連載された。

 

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